【★5】1917 命をかけた伝令

 

全編ワンカット!?最初から最後まで目が離せなくなる超優作

あらすじ

1917年、第一次世界大戦の真っ只中、西部戦線にいたドイツ軍は後退していた。
しかしそれは戦略的な後退で、連合国軍をヒンデンブルク線まで誘引する罠だった。
イギリス軍はその事実を航空偵察によって把握したが、進撃中のD連帯へ伝えたくても電話線は切れてしまっているため、2人の若い兵士スコフィールドとブレイクに現地へ行って伝えるよう命じた。
1600名のD連隊にはブレイクの兄がいる。味方を救うため、命をかけて2人は無人地帯へ飛び込んだ。


 

賞レースでも結果を残しているのが納得

2020年のアカデミー賞で視覚効果賞など3部門で受賞した今作。
実写と特殊効果を織り交ぜ、デジタル合成などで繋いだ『全編ワンカット』という驚異の作品は、監督であるサム・メンデスが祖父から聞いた話を元に作られたそうで、近しい人間から聞いた話だからこそ表現できる生々しい世界観が圧巻です。

近年「長回し」「ワンカット」という手法は全くなかったわけではありませんが(例えば2014年の『バードマン 』では、主人公が壁に隠れて見えなくなったり、廊下のシーンが多かったり。)
つまるところ室内での撮影が多くなる傾向にあります。
室内の映像はどの時間帯にとっても、あとから編集してつなぎやすいからですね。
しかし『1917』では、大半のアクションがなんと野外!
そんな状況下で撮影されたものとは思えないほどつなぎ目はわからないし、合成処理すらもわからない仕上がりです。

この製作陣の途方もない努力によって、最初から最後までずーーーっと主人公たちと同じ旅をしている感覚になります。

 

緊張感と疲労感を登場人物と一緒に感じてしまう

正直今回はツッコミではない。笑

それくらいの優作です。

物語は『これあっちの現場に伝えてきて。』と言われて、ただひたすらに走らされるというシンプルなものですが、「全編長回し」という驚異的な演出技法が、そのシンプルなストーリーを、今まで見たことのないドラマへと昇華させています。マジで。

全編ひとつのカメラの目線でしか表現されないわけなので、そのカメラから見える景色以外は、観ているこちら側にも「未知」。

そんな状態が2時間も続く。

 

物陰から急に敵が出てきたらどうしよう。
おい、奥に敵がいるぞ!気付け!逃げろ!
え、目を離した隙になんでこんなことになってんの!?
おい死ぬな!死ぬな!
わーーー死んでなかった。よかった。
え、まさかあの飛行機、こっちにこないよね?

 

ずーーーと頭の中がこんな状態になります。

 

その次に何が起こるのか本当にわからない緊張感は秀逸で、もう途中からは主人公たちと一緒に走り抜けてきたかのような疲労感すら感じます。

それは息をするのを何度も忘れるほどでした。
ワンカットはここまで臨場感を高めるものかと、驚きました。

 

メンデス監督は「観客が、主人公の道のり全て、一歩ずつを一緒に歩み、呼吸をするように感じさせたかった」と語っているそうですが、その通り過ぎて笑っちゃったよね。

 

そして粋なカメラワークもアツい

そんでここなんです。

カメラワークというか、画面構成も粋なんです。

 

それを一番強く感じ、管理人が漏らしそうなほどグッときたのが下記のシーン。

 

物語はスコフィールドとブレイク(一緒に伝令を届けるために走る仲間)が、木の影で昼寝をしているところに、他の兵士がやってきて『おい、上官が呼んでるぞ』と声をかけるところから始まるんですが、
これがなんと最後のシーンと「ほぼ同じ」構図なんです。

走り続け、身体中に傷を負い、それでも同じ軍の仲間たちの命を助けるため走り続けたスコフィールド。
途中ブレイクにも先立たれ、抱え切れないほどのプレッシャーの中、何度も心が折れそうになりながらも、ただひたすら先に進む。
そしてやっとたどり着いた場所で、ブレイクの兄に弟の死を告げる。
涙するブレイクの兄に、うまくかける言葉も見当たらず、それでも「役目」を全うしたスコフィールドは、フラフラと近くの木へと歩き出す。

そしてスコフィールドは、気にもたれかかり、静かに目を閉じる。
その隣にブレイクはもういなかった…..。

 

 

いや泣くってぇ〜😭

 

 

 

ただ、
①敵兵を助けようとして逆にやられてしまうブレイクの危機管理能力の低さへの違和感
②途中一度だけスコフィールドが意識を失って画面が切り替わる(全編ワンカット感がちょっと台無し)
③予告の英語の日本語役が強引すぎて引く
という点が若干の減点でした。

 

特に③

「この戦いが終わるのは最後の1人になったときだ」→「仲間の命を救いたければ出来る限り急げ」
「立ち止まるな!ついてこい!」→「一緒に救うと誓ったろ!」

 

いらんことすな!!
そんなんせんでもめっちゃいい映画じゃ!!

 

 

 

それでも85点。

 

 

管理人

久しぶりにエンドロールの間まで「すごいもの見た」とずっと感動した作品でした